若い頃、おじいちゃんの吉田茂にぽんと1千万円渡されて「これで遊んでこい」と言われて育った人(上杉隆談)に庶民感覚を持つべきとは思わない。そんな猿芝居はみのもんたで十分で、それこそポピュリズムになる。
しかし、主要品目の消費者物価指数(CPI)や家計調査の数字は頭に入っていなければいけないはずの政治家がカップ麺の値段を3倍で答えてしまうということが問題なのだ。
そうした感覚では、賃金水準や景気対策の政策をまともにできるはずがない。メーカーの経営者が原材料の相場を全くわかっていないのと同じだ。
麻生太郎という人間は何十年も政治を職業としながら、政治家としての基本的な学習を常に怠ってきた政治屋だと言うことだ。
役人から出された数字をそのまま鵜呑みにして、「ちょっとこの数字おかしいんじゃないの?」とつっこみを入れることも不可能だ。役人にとってなんて使いやすい総理だろう。それは経団連など経済団体にとっても同様だ。
医療問題での国会答弁の際、麻生は「自分は病院の経営を何年も経験しているので現場のことに詳しい」と誇らしげに語っていた。現場経験を経ず親から会社を引き継いだ経営者が、「私は現場のことには詳しい」と言ったら、現場の従業員から総スカンを食らうだろう。現場経験のある経営者でさえ、経営側に回れば、もっとも入手しにくくなるのが現場の情報だ。だから歴史に名を残すような名経営者は、共通してどの人も毎日のように現場に足を運んでいた。
ある業種の経営者だからその業種の現場に詳しいとは、まったくもって勘違いも甚だしいことなのだ。

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